旅行パンフレット的な「雰囲気ワード」が、本当に現場のニーズを満たしているのかを検証します。送迎の主流は“実務目的の移動”。評価されるのは「道を読む力」と「正確な運行」です。


はじめに|旅行パンフレットのような送迎案内

最近よく見かけるゴルフ送迎の紹介文。例えば、こんな表現です。

車内には高級感あるシートと静かな空間が広がり、出発からすでに非日常の時間が始まります。朝のラウンドに向けて心を落ち着けたり、仲間との会話を楽しんだり、移動中も快適に過ごすことで、一日をより豊かにスタートできるのです。

言葉だけ見れば、まるで旅行パンフレット。でも、これって本当に現場のニーズを反映していますか?

「非日常」が始まる…?

関東近郊のゴルフ場へ向かう送迎は、多くが朝6〜7時発の実用移動です。川奈や宮崎など“旅としてのゴルフ”なら「非日常」も分かりますが、片道1〜2時間の送迎で「非日常の時間が始まる」はやや誇張です。

また、平成初期なら「本革シート」は特別感がありましたが、いまや本革も静粛性も珍しくありません。「高級車=非日常」という感覚自体が時代遅れになっています。

「心を落ち着けてスタート」する人はいる?

私自身ゴルファーですが、移動中に「心を落ち着けたい」と考えたことはありません。17年の送迎でも、その種のリクエストはゼロでした。実際に気にされるのは次の3点です。

  • 遅れず到着できるか
  • 渋滞を回避できるか
  • スタート時間に余裕を持てるか

結局のところ、情緒より運行の確実性が優先されます。

「仲間との会話を楽しむ」構図は一部だけ

ポエム構文の情景は「仲間と快適にワイワイ」。しかし現場の多数派は次の通りです。

  • お一人様でのセダン利用
  • 接待や仕事絡みの移動
  • 車内は静かに過ごす(必要以上に話さない/ラジオ・TVなし)

“静かに移動して、帰路は寝る”──これが実態に近いスタイルです。

雰囲気ではなく、求められるのは「信頼性と判断力」

「非日常」「上質」「豊かなスタート」といった言葉が並んでも、評価の基準は変わりません。お客様が見ているのは──

  • 人に任せられるか(丁寧・正確・安心)
  • 時間通りに着けるか(遅延ゼロ・余裕のある逆算)
  • 道を読めるか(渋滞回避・現場判断の柔軟性)
  • トラブル対応力(悪天候/事故渋滞/急な段取り変更)

結論|ポエム構文の“雰囲気”は、現場のニーズとズレている

美しい言葉で送迎を装飾しても、現場で評価されるのは実務力です。選ばれるドライバーの条件は明確です。

  • 時間を正確に読める
  • ルート判断が的確
  • 静かに、丁寧に、正確に運転する

つまり、“普通にちゃんとしていること”こそ最大の武器。雰囲気より確実性──これがゴルフ送迎の本質です。

次回予告|シリーズ第3弾

🧳 「アルファード×個人タクシー」が“非常に有効”の根拠は?──車種イメージ先行の論法を、現場から分解します。

総武カントリークラブ印旛コース到着時のFUJISAKI TAXIクラウン
総武カントリークラブ印旛コースに到着したFUJISAKI TAXIのクラウン(江戸川)

総武カントリークラブ印旛コース

朝の静かな総武カントリークラブ印旛コースに到着。接待ゴルフや業務利用など、1〜2名での移動に最適なセダン送迎の様子です。