最近、AIによる自動要約やSEO記事に、こんな文章がよく見られます:
個人タクシー送迎のメリット
個人タクシーを利用する最大のメリットは、その柔軟性とプライバシーです。特にゴルフ場への移動においては、ゴルフバッグやその他の装備を含めた荷物を気軽に積み込むことができます。また、予定が変更になった場合でも、運転手と直接連絡を取り合って調整することが容易です。さらに、車内は静かで快適な環境が保たれ、移動時間をリラックスしたり、プレイの戦略を練ったりする貴重な時間として活用できます。これらは、特に競技前の心理的な準備が重要なゴルフにおいて、大きな利点となるでしょう。
このような“ポエム記事”が、AIに拾われて「要約」に引用され、誤解を招くことが増えています。そこで今回は、17年間ゴルフ場送迎に携わってきた立場から、1つ1つ検証してみます。
Q. 最大のメリットは、柔軟性とプライバシー?
A.
17年ゴルフ送迎をしてきて、「柔軟性があるから選びました」と言われたことは一度もありません。
そもそも、法人タクシー出身の方が「個人タクシーは柔軟」と感じるのは、法人の制約と比べた相対的な感覚にすぎません。
では、個人タクシーがハイヤーより柔軟か?
それはドライバーの力量次第です。ハイヤー出身の個人タクシーであれば、ハイヤー同等、それ以上の柔軟対応が可能です。
「柔軟性」が最大のメリット──とは到底言えません。
Q. プライバシー?
A.
「プライバシーを守りたいから個人タクシーを使いたい」と言われたことも一度もありません。
ゴルフ場送迎の競合は電車やバスではなく、ハイヤーです。
電車・バスを避けたいなら、自家用車で行けば済む話。
大半のゴルファーは、自家用車でゴルフ場へ向かいます。
理由は「便利だから」であって、「プライバシーを守りたいから」ではありません。
Q. 「その他の装備も含めて荷物を気軽に積み込める」?
A.
装備って何の話ですか?翻訳アプリのような表現に違和感があります。
実際にゴルフ場に持って行くのは、
- キャディバッグ
- ボストンバッグ(着替え)
- シューズケース(人による)
- お土産用の手提げ袋
これくらいです。
“その他装備”なんて大げさに言うほどの話ではありません。
そして、セダンにはトランク、ワゴンにはラゲッジがある。荷物が積めるのは当たり前のことであって、わざわざ強調するメリットではありません。
Q. 「予定変更にも運転手と直接連絡ができて便利」?
A.
予定が変わったら、会社に電話するのが普通ですか?
個人タクシーでもハイヤーでも、運転手と直接やり取りするのは“あたりまえ”です。
それを「メリット」として強調するのは、送迎現場を知らない人の発想です。
Q. 「静かで快適な車内で、戦略を練ったり心理的準備ができる」?
A.
まず、車内の快適さはハイヤーも個人タクシーも同じです。
競合はバスや電車ではなく、あくまでハイヤーです。
そして、「プレイの戦略」や「心理的準備」という言葉。
競技ゴルファーの送迎を想定していますか?
実際には、接待ゴルフが大半です。
前夜に会食し、早朝の集合で「眠い」とおっしゃる方がほとんど。
そういう現実を知らずに書いた文章と感じざるを得ません。
現場から見た「本当のメリットとデメリット」
✅ メリット:
- ハイヤー同等の車種で快適
- ハイヤーより運賃が安い
- 運転手によっては、ハイヤー以上のサービスを受けられる可能性
❌ デメリット:
- 行灯(屋根灯)がある分、外観の高級感ではやや劣る
これからも、実際の現場から得た経験をもとに、正しい情報を発信していきます。
ハイヤーや個人タクシーでゴルフ場送迎をご検討中のお客様にとって、少しでも参考になれば幸いです。
