シリーズ第4弾は、送迎案内でよく見るSTEP表記を現場の温度感でチェックします。結論:柔軟性=“その場での判断と対応力”。テンプレの言い回しが実態とズレていないか、STEP01〜05で検証します。
STEP01|「専属ドライバーが伺います」?
Q:専属対応をうたう案内、現場目線だとどう見える?
A:実態が個人タクシー(個人事業主)なのに「当社」「専属」といった表現で、あたかも法人ハイヤー会社のように見せるのはイメージ先行。「専属」は関係性の積み重ねで自然に呼ばれる結果であり、事前に名乗る称号ではない。
- 「専属」は成果であって宣言ではない
- 一人事業なら語るべきは実績・対応範囲・判断力
STEP02|「移動中に作戦会議」って本当?
Q:車内で本格的なコース戦略会議は現実的?
A:ほぼ見ません。移動中は 仕事の話/当日の段取り確認/軽い雑談 が中心。特に接待ゴルフは“関係づくりと進行”が主役で、戦略詰めは稀。「作戦会議」推しは“車内活用”を強調したいコピーで、現場の空気とズレ。
- 接待の主目的=関係構築
- 静かに整える時間の価値は大きい(喋ること自体が目的ではない)
STEP03|「プレー中はドライバー待機」「荷物は車内保管可」──そんなニーズある?
Q:車内保管や常時待機を前提にする必要は?
A:基本不要。荷物動線はゴルフ場に整備済み。
- キャディーバッグ:スタッフがマスター室へ搬送
- ボストン・シューズ・お土産:ロッカーに余裕で収納可
- 貴重品:貴重品ロッカー利用+会計で財布が必要=車内置きっぱなしは非現実的
「車内保管OK」は効率低下につながることが多く、要件の本質は“連絡→即応の段取り”にあります。
STEP04|「リラックスタイム後にエントランスへ回送」って…表彰式はそんな時間?
Q:プレー後は一律に“くつろぎタイム”?
A:全くの別物。表彰式は主催の進行・スピーチ・来賓対応などで時間も雰囲気も読みづらい。芸能人やプロ司会なら非日常のエンタメ空間に近く、「◯時頃回送」前提ではなく、進行を見て即応が基本。
- “回送タイミングは現場判断”が正解
- 訳語的な「リラックス」は現場の語彙ではない
STEP05|「ご自宅まで送迎」「事前相談で複数立ち寄り可」=柔軟性?
Q:事前相談が柔軟性の証明になる?
A:誰でも言える文言。現場では予定通りに進む方が珍しい。求められるのは当日の急な変更に“その場で”対応できる判断力。
- 「この後、銀座で一人降ろしてから自宅へ」
- 「表彰式が早く終わったので実家へ寄り道」
- 「途中で薬局/コンビニに寄ってほしい」
柔軟性=当日運行の可変対応力。“事前にご相談ください”は免罪符であって、柔軟性の証明ではありません。
補足|“ゴルフは大荷物”が生む「お助けマン構文」の罠
- テンプレ例:「荷物は車内保管OK」「広い車内で快適」
- 実態:ロッカー&スタッフ動線が整っており、車内保管の必然性は低い
- 快適さは車より“人”(先読み・配慮・判断・段取り)で決まる
広い車でも段取りが悪ければ疲れます。真の快適は人で作る──これが現場のリアルです。
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