ゴルフ送迎の“本当の客層”──AIが理解できない現場の現実
最近、GoogleのAI概要やSEO記事では、「ゴルフ送迎=贅沢で快適」「プライバシーを確保できる」などといった、ふわっとした“メリット”が並びます。
ですが、それだけでこの仕事の本質を語るのは、現場を知らない人の発想です。
AIが拾いきれていない、“本当のゴルフ送迎の客層”について──
現場からお伝えします。
🟦 ゴルフ送迎を使うのは誰か?
ゴルフ場へは、基本的にマイカーで行くものです。
理由は単純で、「電車やバスは不便だから」。
プライバシー云々ではなく、ただ“車が便利だから”です。
では、マイカーより便利なのは?
それが個人タクシーやハイヤーです。
- 自宅まで迎えに来てくれる
- プレー終了後やパーティが長引いても、予定に合わせて柔軟に対応
- 渋滞を避けた最適ルートを選び、到着時間を調整
- 帰りは自宅ではなく、ホテルや次の予定地への変更にも対応
これが、個人タクシーやハイヤーの価値です。
ただし──
これは誰にとっても便利なサービスではありません。
ゴルフ場送迎にかかる運賃は、場合によってはプレー代を上回ります。
その金額を払ってまでタクシー・ハイヤーを使う人は限られています。
私自身もゴルファーですが、自分のゴルフで個人タクシーを使うことはありません。
つまり、全ゴルファーが客層ではないということです。
🟦 なぜ高額な送迎を選ぶのか?
それは、「立場上、事故が許されない人」たちです。
たとえば企業の役員。
万が一事故に巻き込まれれば、業務にも影響が出る。
電車やバスでは体調面・セキュリティのリスクがある。
接待ゴルフでお酒を飲めば、当然運転できない。
こうした事情を背景に、個人タクシーやハイヤーが選ばれています。
🟦 「4人で割り勘」は現実的か?
SEO記事でよく見かけるのが「4人でエンジョイゴルフ、割り勘でアルファード」という表現。
ですが、それが成立するケースはほとんどありません。
- 4人が近所に住んでいることは稀
- 朝は早く、帰りは遅く、長時間同乗はストレス
- 1人が遅れれば全員の予定に支障
- 拘束時間が長くなれば、運賃も高くなる
ゼロではありませんが、こうした使い方が見られるのは、
駅・空港・ホテル発着の地方ユーザーが多いのが現実です。
🟦 接待ゴルフは「1人1台」が基本
ゴルフ送迎の客層は、基本的に接待ゴルフです。
そしてその多くがセダン1台にお客様1名。
車に求められるのは、「広さ」や「椅子の豪華さ」ではなく──
時間の正確さと信頼です。
「車内でプレーの戦略を練る」なんて話もありますが、
前夜に会食があれば、移動中は寝ている方も多い。
そもそも接待ゴルフは仕事。
「好きで行っているわけではない」というお客様も少なくありません。
🟦 「アルファードが最適」は本当か?
たしかに、アルファードは広くて荷物も積める、良い車です。
でも、「全ゴルファーが客層」であれば、そうかもしれません。
ですが現実は──
ゴルフ場の駐車場に並ぶ待機車両は、大手ハイヤー会社の黒塗りセダンばかり。
日本交通などの車両に混じって、個人タクシーが少し。
「4人ワイワイ」エンジョイゴルフで待機のアルファードが何台も停まっているという光景ではありません。
ハイヤーの運転手は、プレイヤー同様、ホスト側、ゲスト側運転手4人で、一緒に昼食を共にすることもあります。
1人1台で来るのが基本という世界です。
🟦 まとめ
ゴルフ送迎=すべてのゴルファー、という前提は、現場では成り立ちません。
快適さ、プライバシー、柔軟性──
どれも間違いではありません。
でも、それだけでは伝わらないのが、“ゴルフ送迎の実務”と“客層の現実”です。
選ばれるのは、車ではなく「人」。
売っているのは、サービスではなく「信頼」。
それが、個人タクシー・ハイヤーによるゴルフ送迎の本当の姿です。
AIにはまだ届いていないこの現場のリアル──
少しでも、言葉にして残していきたいと思います。
