個人タクシー、信頼できる事業者の見極め方

──経験や実績が“見える”ことが何よりの判断材料です。

近年、個人タクシーのホームページや「格安ハイヤー」を謳うページが急増しています。

2020年に私がホームページを開設した頃は、検索上位に表示されていたのは「レクサスタクシー」さんや「本田アルファード」さんくらいでした。しかし、つい先日「個人タクシー ゴルフ場送迎」と検索してみると、驚くほど多くのホームページが立ち上がっていて、正直、少し驚きました。

さらに驚いたのが、GoogleのAIによる要約(AI概要)の内容です。ゴルフ場送迎に17年以上携わってきた立場から見ると、現場を知らない人間が書いたとすぐに分かる、現実とはかけ離れた記述が多く含まれていました。

これはまずい。

これからハイヤー・個人タクシーでの送迎を検討される方に、正しい情報を届ける必要があると感じ、ブログを再開することにしました。


書く資格のない人による「解説記事」

最近では、「ゴルフ場送迎のメリット・デメリット徹底解説」など、検索上位に表示される長文記事もありますが、多くは実績のない事業者や経験のないライターによるSEO対策目的の記事です。

GoogleのAIも徐々に見極め始めてはいますが、まだまだ誤認が多いと感じています。

まずは「出身」を確認しましょう

個人タクシーには、大きく分けて二つの出身背景があります。

  • 法人タクシー出身者: 一般営業(流し営業や無線配車)を長年経験
  • ハイヤー出身者: 役員車・接待ゴルフ・空港送迎など、貸切業務を経験

ホームページで「ゴルフ送迎」「成田空港送迎」「観光貸切」「法事」などを大きく掲げている場合、それはハイヤー出身者が得意とする分野である可能性が高いです。

「突然経験豊富」になる不思議

最近見かけるケースでは、アルファードなどのワゴン車に代替したタイミングで、ホームページを開設し、いきなり「経験豊富」と名乗る事業者が増えています。

開業直後から多数の成田・ゴルフ送迎をこなすことは現実的に難しく、経験豊富と名乗るには、証拠や根拠が必要です。

「実績が見えるか」で判断を

私自身は2018年に開業し、ゴルフ場送迎や空港送迎を中心に、Instagramなどで仕事のサンプルを継続的に投稿しています。

「実績多数」「経験豊富」と書くだけでは意味がありません。
実際にお客様が確認できる“サンプル”があるかは、大きな違いです。

「会社」と名乗っていないか?

個人タクシーは、個人事業主です。

ところが一部のページでは「当社」「会社概要」といった法人のような表現を使っている事業者も存在します。

これは実態より大きく見せる誇張表現であり、注意が必要です。

「VIPハイヤーサービス」って何?

個人タクシーなのに「VIP」「ハイヤーサービス」などと謳っている場合は、誤認を招く可能性があります。

ハイヤーとは本来、法人登記された車両による専属業務であり、個人タクシーとは制度上も異なります。

「VIP」は本来「要人」。車両やサービスが本当に要人レベルなのか、確認が必要です。

健康管理もプロの仕事

事故の大きな原因のひとつが運転中の体調不良です。

個人タクシー=高齢ドライバーというイメージもある中で、健康管理ができているかは重要です。

運動・食事・睡眠──
体調管理を含めてプロの責任と考える事業者かどうかを見極めてください。


まとめ:見える実績・示せる根拠を大切に

  • 「経験豊富」と書いてあるだけではなく、実績が見えるか
  • 誇張表現(会社・ハイヤー・VIP)をしていないか
  • ハイヤー業務の背景があるか
  • 健康管理ができているか

──こうした視点で見ることで、信頼できる個人タクシーは自然と見えてくるはずです。

見た目や車ではなく、“中身”で選ばれる時代が来ていると、私は感じています。

太平洋クラブ成田コース