信頼できるタクシーの選び方|アルファードより大切な“中身”とは?
最近、「アルファード個人タクシーで快適にゴルフ送迎を」といったページをよく見かけるようになりました。
車の快適さをうたった文章、ラグジュアリーな空間、時間制貸切で自由なプラン――
それらは一見、魅力的に映るかもしれません。
しかし、**「アルファード=快適・信頼できる送迎」**と短絡的に結論づけてしまっていいのでしょうか?
私は、大手商社の役員専属ハイヤーを10年、個人タクシーに転じてからも貸切・ゴルフ送迎を多数担当してきた運転手として、本当の「信頼」とは何か、感じてきたことをお伝えしたいと思います。
「ラグジュアリー=信頼」ではない
車種が高級だから安心?快適?
確かにアルファードは広くて快適な車です。荷物も積めて、多人数にも向いています。
けれど、**車はあくまで“道具”**にすぎません。
そのハンドルを握るのは誰か?
道をどう判断し、どのタイミングでどこに降ろすか?
“中にいる運転手”の経験と判断力こそが、移動の本質を決めます。
「経験豊富」と書かれたホームページの中身
最近、「ゴルフ送迎経験が豊富」と掲げるページが急増しました。
よく見てみると、ワゴン車(アルファードなど)に車を変えた途端、ゴルフ送迎専門を名乗り出した方々が多く見受けられます。
ですが、私はこう思います。
本当に経験があるなら、“車種を変えたこと”をきっかけに経験豊富とは言わない。
私はハイヤー時代、10年以上、週に1.5回以上のペースでゴルフ送迎を担当し、土日祝はほぼゴルフ場にいました。
専属を降りた直前は週5日ゴルフ送迎という時期も。
それでも「経験豊富」と自分からは言いません。
積み重ねてきた事実だけを、静かに出す――それがプロの姿勢だと思っています。
接待ゴルフの現場を知っているか?
ゴルフ送迎の本質は、ただの“移動”ではありません。
接待ゴルフの場では、**降車のタイミング、話しかけるタイミング、会話の間合い、道中の静けさ――すべてが“接待の一部”**です。
そして重要なのが、「帰り」。
お客様が乗車された直後の第一声は、ほぼ決まってこうです。
「混んでる?」「何時ごろ着きそう?」
この一言に即答できるか。
渋滞、事故、裏道、高速の乗り直し――**そのすべてに即対応できるかどうかが“経験の差”**です。
「専属経験」は最大の信頼保証
役員専属を10年務めるには、遅刻ゼロ・安全運転・無事故・柔軟対応がすべて当たり前でなければ務まりません。
朝の出発時間、渋滞回避ルート、急な行き先変更、早着・遅延の調整。
これは座学で得られるものではなく、何百回という現場経験で身につくものです。
だからこそ私は、自信を持って言えます。
“専属経験”こそが、運転手の最大の信頼保証であると。
本当に信頼できるタクシーの条件とは?
車種ではありません。
ウェブサイトの飾りでもありません。
信頼できるタクシーとは、
「安全に・確実に・時間通り・気持ちよく」送ってくれる運転手がいる車両です。
見えない努力。言葉にならない判断。派手さよりも誠実さ。
“人”と“実績”で選ぶべき時代だと、私は思っています。
終わりに
「アルファード=最高の送迎」とだけ語られているページを見ると、
少し立ち止まって考えていただきたいのです。
そのページの運転手さんは、本当に接待の現場を何度も経験してきた人でしょうか?
ゴルフ送迎1000回超えの経験はありますか?
週5で名門コースを担当したことがありますか?
車ではなく“人”で選んでください。
その見極めこそが、あなたの大切な一日を、後悔のない一日にしてくれます。
ブログ一覧
2025.06.07 空港送迎もお任せ?アルファード個人タクシーの「ラグジュアリー感」に潜む違和感
2025.06.12 ― VIPハイヤーサービスという言葉への違和感
2025.06.13 【本当に“大手出身”? 個人タクシーの経歴に潜む違和感】