近ごろ「VIPハイヤーサービス」「エグゼクティブな送迎」といった言葉を頻繁に見かけます。高級感のある表現は安心感を演出しますが、元・役員専属のハイヤー運転手として見過ごせない点があります。
本稿では、ハイヤーとタクシーの制度上の違い、そして車種よりも運行品質(=誰が運転するか)を基準に選ぶべき理由を整理します。

ハイヤーとタクシーの基本
「ハイヤー」は事前予約・契約に基づく運行専用の車両で、流し営業はできません。対して「タクシー」は、駅や路上での乗車が可能な一般向け営業車です。
したがって「VIPハイヤー」を標榜するなら、車両登録・運行形態もハイヤーであることが前提です。個人タクシーで「ハイヤー」を名乗るのは制度上も運用上も矛盾します。
※本稿は制度の一般的な説明であり、個別の法解釈や行政手続の助言を目的とするものではありません。
高級車=高品質とは限らない──鍵は「誰が運転するか」
アルファードなどの大型ミニバンは快適です。しかし快適さ・信頼性を決める本質は車ではなく、運転手の段取りと所作にあります。
- 渋滞や事故に即応し、遅延リスクを最小化する判断力
- 接待中の空気を乱さない話しかけ方・距離感
- 乗降時の所作(ドアエスコート・一礼・歩速の合わせ方)
これら“見えにくい技量”の積み重ねがプロの品質です。
「演出」ではなく「実績」で選ぶ
ブログや広告で「贅沢な時間」「サプライズの演出」といった言葉が躍っても、具体的な事例・再現性のある運行が示されなければ評価できません。私はハイヤー時代・個人タクシー開業後を通じて、
- 土曜10時スタート等、時間読みが難しいゴルフ送迎の多数運行
- 成田・羽田空港への送迎(定額案内あり)
- 接待・役員送迎、海外ゲスト対応 など
机上計算では測れない“経験の勘”を前提に、定刻到着と安全なご降車を最優先して運行しています。
参考:東京発|ゴルフ場送迎のご案内 /
事業者の見極め方(誇張に惑わされないために)
真のラグジュアリーとは、「降りたときの安心感」
- 時間厳守(スタート時刻に確実に間に合う)
- 荷物配慮(重いバッグの丁寧な扱い・積み下ろし導線)
- 過不足のない会話(必要以上に話しかけない気遣い)
- 「またお願いしたい」と思える一貫した運行品質
——それは記号的な「VIP」ではなく、人としての安心感です。
結び──静かに、しかし確かな品質で
私はラグジュアリーな装飾よりも、実体験と誠実な対応でお応えします。
「高級車」ではなく「信頼」で選ばれる送迎を——これからも変わらぬ姿勢で。