最近、個人タクシーのホームページでよく目にするのが、


「大手タクシー会社で長年勤務」

「大手出身の経験を活かした安心対応」

といった文言です。



確かに、「大手にいた」と言われると、どこか安心感がある。



でも、その言葉──本当に信用していいのでしょうか?



 名前だけ、内容はなし。そんな経歴でいいのか?



私が気になっているのは、「大手タクシー出身」と書いていながら、



• どこの会社か書いていない

• 何年勤めたかも不明

• どんなお客様をどんな形で送迎していたのか、説明がない



というケースが非常に多いことです。



要するに、「大手」という“響き”だけを使って、

中身の伴わないイメージづくりをしているだけに見えるのです。



 大手=信頼、ではない



私自身、ハイヤー会社に在籍していた経験があります。

けれど、「大手出身=信頼できる」わけでは決してありません。



• 入社してすぐ辞めた人

• 研修だけで終わった人

• 評価されず現場に出られなかった人



そういったケースも、業界では現実として存在しています。



それを「大手出身」とだけ書いて、お客様を惑わせるのは、

業界としてとても残念なことだと感じます。



 実績があれば、自然に伝わる



本当に経験があるなら、ホームページに書けることはたくさんあるはずです。



• どんな送迎が得意か

• どのようなお客様と関わってきたか

• どんな判断や工夫を日々行っているか



それがなく、ただ「大手で長年勤務」とだけ書いているのは、



具体的な話ができないことの裏返しかもしれません。



 私自身は、会社名を明かしていません



矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、

私もホームページに会社名は明記していません。



けれど、その代わりに、



• どんな役員送迎をしていたか

• ゴルフ場・空港への送迎を何百回経験してきたか

• どんなトラブルにどう対応したか



──すべて、実例でお伝えしています。



中身があれば、会社名を出さなくても、自然と伝わると思っています。



 見るべきは「実績」と「姿勢」



車両のグレードや肩書きより、

その人が何を語っているか。何を経験してきたか。



表面的な言葉に惑わされず、

**“中身”と“積み重ねてきたもの”**で判断していただければと思います。



【信頼とは、書かずに伝わるもの】



名乗らなくても伝わるものがある。

逆に、肩書きだけ名乗っても、伝わらないものもある。



そんな時代だからこそ、静かに、でも確かに

今日もまた、お迎えに向かいます。