最近、個人タクシーのホームページでよく目にするのが、
「大手タクシー会社で長年勤務」
「大手出身の経験を活かした安心対応」
といった文言です。
確かに、「大手にいた」と言われると、どこか安心感がある。
でも、その言葉──本当に信用していいのでしょうか?
◆ 名前だけ、内容はなし。そんな“経歴”でいいのか?
私が気になっているのは、「大手タクシー出身」と書いていながら、
• どこの会社か書いていない
• 何年勤めたかも不明
• どんなお客様をどんな形で送迎していたのか、説明がない
というケースが非常に多いことです。
要するに、「大手」という“響き”だけを使って、
中身の伴わないイメージづくりをしているだけに見えるのです。
◆ 大手=信頼、ではない
私自身、ハイヤー会社に在籍していた経験があります。
けれど、「大手出身=信頼できる」わけでは決してありません。
• 入社してすぐ辞めた人
• 研修だけで終わった人
• 評価されず現場に出られなかった人
そういったケースも、業界では現実として存在しています。
それを「大手出身」とだけ書いて、お客様を惑わせるのは、
業界としてとても残念なことだと感じます。
◆ 実績があれば、自然に伝わる
本当に経験があるなら、ホームページに書けることはたくさんあるはずです。
• どんな送迎が得意か
• どのようなお客様と関わってきたか
• どんな判断や工夫を日々行っているか
それがなく、ただ「大手で長年勤務」とだけ書いているのは、
具体的な話ができないことの裏返しかもしれません。
◆ 私自身は、会社名を明かしていません
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、
私もホームページに会社名は明記していません。
けれど、その代わりに、
• どんな役員送迎をしていたか
• ゴルフ場・空港への送迎を何百回経験してきたか
• どんなトラブルにどう対応したか
──すべて、実例でお伝えしています。
中身があれば、会社名を出さなくても、自然と伝わると思っています。
◆ 見るべきは「実績」と「姿勢」
車両のグレードや肩書きより、
その人が何を語っているか。何を経験してきたか。
表面的な言葉に惑わされず、
**“中身”と“積み重ねてきたもの”**で判断していただければと思います。
【信頼とは、書かずに伝わるもの】
名乗らなくても伝わるものがある。
逆に、肩書きだけ名乗っても、伝わらないものもある。
そんな時代だからこそ、静かに、でも確かに。
今日もまた、お迎えに向かいます。
